遺産分割前の「預貯金」払戻し制度 (2)
資金需要に応じた二つの払戻し方策
新設された預貯金の払戻し制度には、大きく二つの方策が設けられています。
一つ目は、家庭裁判所の判断を経なくても、金融機関の窓口で直接払戻しを受けられる制度です。
払戻しができる金額には上限があり、
具体的には「(相続開始時の預貯金債権の額)×1/3×(当該共同相続人の法定相続分)」で計算されます。
ただし、一つの金融機関から払い戻しを受けられるのは150万円までとされています。
これは、主に小口の資金需要に対応するためのものです。
家庭裁判所を通さずに払い戻せる金額
二つ目は、家庭裁判所の判断を経て、預貯金の仮払いを認める方策です。
こちらは、仮払いの必要性があると認められれば、裁判所の判断で払戻し(仮払い)が認められるもので、
限度額を超える比較的大きな資金需要に対応するために設けられています。


